ミカン1個、千両です!
皆様こんにちは。河野商店です!
先輩の連載、第9弾です。ぜひお楽しみください!
落語に果物をあしらった噺がある。
例えば「千両蜜柑(みかん)」。
とある若旦那、具合がどうもおかしい。さては恋煩いかと問い詰めると「みかんが食べたい」。
番頭は二つ返事で引き受けるが、気が付くと季節は夏の盛り。
みかんなど売っているはずがない。江戸中を探し回って、ある青物問屋に幾箱か囲ってあり、中に一個だけ腐っていないみかんがあった。
しかし、季節外れの商いとあって売り主は強気。「みかん一個…千両になります」とふっかける。
旦那に相談すると「命と引き替えならば安いもの」と買い付け、若旦那に差し出すと…
さて、その顛末は速記本を一読あれ。
最近、高座に掛けられない噺だが、5代目古今亭志ん生、林家彦六が演じていた記憶がある。
バナナの登場するのが「初天神」。菅原道真を祀った天満宮で新年1月25日に開催される縁日で、嫌々連れてきた金坊が「あれ買え、これ買え」とむずがって父親をいらだたせる。
金坊「お父ちゃん、バナナ買って」
父「バナナ…八十銭? 毒だ、毒だ」
金坊「お父ちゃんは、八十銭が毒なんだ」
散散困らせた挙げ句に金坊が放ったひと言。
「こんなことならお父ちゃんを連れてくるんじゃなかった」。
これがオチ。
先輩、ありがとうございました!
ミカンが1個、千両とは…ちょっと高過ぎくんですね。
ついでに、初天神はお父ちゃんが飴玉をべろべろになめたり、凧揚げに夢中になるように記憶していますが…。
それでは、次回作、ご期待ください!