漱石は、元祖スイーツ男子!?
皆様こんにちは。河野商店です!
先輩の連載、第2弾です。ぜひお楽しみください!
正岡子規の親友、夏目漱石は大の甘党だった。
今でも銀座にある空也最中、荒川の羽二重団子は「吾輩は猫である」に登場する。「三四郎」には栗饅頭、「草枕」は水羊羹といった具合。英国留学時代にはジャム、ビスケットも味わって、まぁ今で言えば元祖スイーツ男子だったわけである。
明治43年、持病の胃潰瘍悪化で入退院を繰り返していた漱石のもとに、妻の妹婿・鈴木禎次(漱石の墓を設計した)からアイスクリーム製造機が届けられた。まさに貴重品で退院後も自宅で、家族で楽しんだという。そういえば「虞美人草」にアイスクリームの記述が見える。
胃潰瘍に生涯苦しめられた漱石だが、根っからの甘味好きがその引き金を引いたことは間違いあるまい。
ではフルーツとの接点は如何に。
「夢十夜」は、漱石が実際に見た夢なのか、創作なのかはっきりしない作品だが、その中の一話にこんなくだりがある。
「(水菓子、いまでいう果物を眺めるのが好きな主人公・庄太郎は)あまり女が通らない時は、往来を見ないで水菓子を見ている。水菓子にはいろいろある。水蜜桃や、林檎や、枇杷や、バナナを綺麗に籠に盛って、すぐ見舞物(みやげもの)に持って行けるように二列に並べてある。庄太郎はこの籠を見ては綺麗だといっている。商売をするなら水菓子屋に限るといっている。そのくせ自分はパナマの帽子を被ってぶらぶら遊んでいる」
こんな具合である。 そう言えば「坊つちゃん」の舞台、松山は柑橘王国であった。
先輩、ありがとうございました!