芥川龍之介の「蜜柑」です!横須賀線も登場します!

皆様こんにちは。河野商店です!

先輩の連載、第4弾です。ぜひお楽しみください!

 漱石先生が絶讃した小説家の一人といえば芥川龍之介。早世したこの天才の作品に「蜜柑」という短編(エッセイとしての趣だが)がある。

 登場人物は主人公と娘の2人だけ。鬱々とした思いで汽車(蒸気機関車ですね、当時は)に乗り込んだ主人公の前に大きな風呂敷袋を抱えた13、14歳ほどの娘が現れる。ほおの赤い、いかにも田舎じみたその風貌に加え、3等切符で2等室に入ってくるその無神経さに主人公はいらだち、嫌悪します。

 汽車はそのうちトンネルにさしかかります。すると娘は閉まっている窓をしきりに開けようと試みます。開いた窓からはどす黒い煙が流れ込み、主人公は激しく咳き込みます。

 思わず怒りを爆発させる寸前、車窓の、向こうの先に踏切が見えてきます。そこにはやはり頬を赤く染めた子供たちが並んでいる。

 娘は懐から取り出した蜜柑5つ、6つをその少年たちへ向け窓から投げます。身を乗り出し、大きく手を振って蜜柑を投げ落とします。

 わざわざ見送りにきてくれた弟たちの労をねぎらうべく、投げるのです。

 娘はおそらく奉公先へと向かうのでしょう。小さな別れが目の前で展開されます。

この光景を目撃した主人公は何とも爽快な気分に浸ります。

 ざっと書けばこれだけの物語です(一読下さい。その表現力はさすが天才・芥川龍之介ならではの描写です)。

 この短編(エッセイ)の舞台は横須賀線、横須賀駅と言われています。

先輩、ありがとうございました!

河野商店は横須賀線沿線(ついでに東海道線も並行して走っていますが)にあります。

この主人公も、私たちがいまいる風景を眺めたのでしょうか…

それでは、次回作もご期待ください!

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寺山修司です!